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【無料ゲイ小説】「真夏のエロリーマン」 最終話「エロリーマンを卒業します」

<<第3話はコチラ



「あの...先輩っ!
 また企画書見てほしいんですけど、会議室...行きませんか?」

あの一件以来、佐野は俺を誘うようになった。
男の体に目覚めてしまったんだろう。

「悪い...ちょっと今忙しいんだ...」

でも、俺は佐野との行為を断りがちになっていた。
自分でもなぜなのか分からない。
俺は淫乱エロリーマンだ。肉棒が欲しくて佐野とは結ばれたはずだった。
でも俺はいつも佐野との行為の時に、清掃員の松田のことを思い浮かべていた。

松田が会社を辞め、俺の前から去ってから早いもので2か月が経った。
あれから一度も松田には会っていない。
連絡先も代わっていて、会う術がなかったのだ。
どうにかして松田に会いたい。なにを伝えたいかは分からないけど
ただ会いたかった。

「あの...2か月前に会社を辞めた松田って
その後どうしているか知りませんか?」

俺は清掃員のおばちゃんに片っ端から聞いて回った。
しかし、元々交友関係も薄い松田について知っている人は見つからなかった。
無理か...諦めようとしていた時だった。

「松田くんなら、実家の工場継いだって話だけど」

おばちゃんの中の一人がそう教えてくれた。
その人は、無口で喋らない松田をいつも気にかけていたそうだ。
辞める日も唯一その人のところへ松田が挨拶に来たらしい。

俺は松田が継いだという実家の工場の名前を聞き出して、場所を調べた。
偶然にもその工場は、俺の住んでいる街の近くだった。
俺は会社が終わった後に急いで松田に会いに行くことにした。

「ここか...」

寂れた町の鉄工所。印象はそんな感じだった。
俺が中を覗いていると、1人の男性が声をかけてきた。

「なんか用かい?」

「あっ...あの松田さんに会いに来たんですけど...」

「ん?オヤジの方?息子の方?」

「えっと...息子さんの方です」

俺のその言葉を聞くと、男性は中に入っていった。
そしてしばらくすると、松田を連れてやってきたのだ。

「坂下さん...」

松田は作業着に、頭にタオルを巻いていた。
男らしいその姿に、俺は少し股間がうずいた。

「上行きましょうか」

松田はすぐに俺を上の事務所に通した。
事務所には俺と松田二人きり。ここなら俺の思いを正直に伝えられる。

「急にこんなところまで来てどうしたんですか?」

松田は少し迷惑そうに言った。

「松田...俺お前のことが忘れられないんだ...
 あれからずっとお前のことばかり思って生きてきた」

「また...犯してほしいんすか?
 俺のこの肉棒で」

松田はいやらしい目をしていた。
そして相変わらずのデカいもっこりをさすりながらそう言った。

「いや...そういうんじゃないんだ。
 自分でもよく分からないんだけど...
 俺は松田のことが好きなんじゃないかなって...」

「えっ...?」

二人の間に微妙な空気が流れた。フラれたか...そう思っていた。
でも、なぜか松田は涙を流し始めた。

「どうしたんだ...?松田」

「いやっ...嬉しくてさ
アンタのこと、ただのエロ目的のやつだと思ってたから...」

松田は泣いていた。でもどこか笑っているようにも見えた。
そして松田は続けた。

「俺...初めて会社でアンタのこと見た時
この人と付き合いたいって思ったんだよ。
だから...ずっと見てた...」

「松田...」

俺は松田をギュッと抱きしめた。
今までとは違う。たくさんの愛で松田を抱きしめた。

「なぁ松田...チューしよっか?」

「うん。するっ」



そして俺と松田は結ばれた。
俺はとうとうエロリーマンを卒業したのだ。
これからは、こいつだけを愛していく。他の誰でもない、こいつだけを...。




真夏のエロリーマン完結です!
今までエロエロで来ましたが、最後は愛に目覚めて欲しかったので...
現在新作執筆中です!ご期待ください!
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[ 2015/07/17 16:04 ] ゲイ小説 | TB(-) | CM(0)
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